コロナ禍におけるコワーキングスペースの需要【地方と大都市の比較】
こんにちは!CoWorkers運営事務局です!
本日は「コロナ禍においてコワーキングスペースの需要があるのか?」についてお話しさせて頂きたいと思います。
緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出が制限される中、コワーキングスペースへ実際に向かう人はどれくらいいるのでしょうか?
実際にコロナ禍の中、岐阜県で1年半に渡りコワーキングスペースを経営し、現在WeWorkに入居している経験を基に本日はお話しさせて頂きます。
地方都市のコワーキングスペースの場合
我々は岐阜駅徒歩10分程度の場所でコワーキングスペースを経営していたのですが、緊急事態宣言時では来館者数はほとんど変わることはありませんでした。
むしろ都心から回帰し、利用される方が若干増えたくらいです。
また図書館や塾の自習室に制限がかかったため、高校生の利用も増加しました。
そして岐阜県でコワーキングスペースを運営していた時に一度コワーキングスペースの利用者が増えた後は、コロナが収まっても来場者数が減ることはなく、一度会員様になってくださった方はそのまま使用される方が多かったです。
大都市圏のコワーキングスペースの場合
一方、現在我々は愛知県代表のスタートアップ企業として世界最大手のWeWorkに入居させて頂いておりますが、こちらの会員様の動向は岐阜のコワーキングスペースとは異なっております。
WeWorkは大都市でかつ、その都市を360°見渡せる超一等地にしか進出しないというルールがあり、僕らの入居オフィスは名古屋駅から徒歩圏内にあります。
こちらの大都市圏のみにあるWeWorkでは緊急事態宣言が発令される度に、目に見えて施設の来館者数が減ります。
つまりコロナ禍が強まれば強まるほど、大都市圏のコワーキングスペースの来館者数は減り、地方都市のコワーキングスペースの来館者数は増える傾向にあると言えます。
さらに弊社がシステム提供をしているいくつかのコワーキングスペースでも同じ現象が見られました。
これは言われてみれば当たり前ですよね。
企業は人混みを避けるためにリモートワーク、テレワークを推奨しているのに、企業のある大都市圏への通勤をやめて、再び大都市圏のコワーキングスペースへ通い始めたら意味がありません。
自宅のある地方都市やベットタウン、名古屋市周辺で例えるならば岐阜市、一宮市、知立市などのコワーキングスペースがコロナ禍においては特に求められたのです。
コロナ禍において、地方都市のコワーキングスペースにこそ需要はある
こうした背景がある中、コロナ禍が始まり1年が経過した今、ようやく地方都市の行政がコワーキングスペースの設置に着手し始めました。
まだまだ民間のコワーキングスペースは東京を始めとする大都市圏が中心であり、地方都市では普及が遅れております。
その理由はシンプルで、地方ではコワーキングスペースは単独で事業として成立させられることが難しいと思われているためです。
大手はマーケットが小さいと決めつけているのでなかなか参入せず、ベンチャーや個人店はマーケティングを始めとするノウハウがなく開店しても早々に撤退してしまいます。
そのため地方都市でのコワーキングスペース経営は儲からないという理由から市場原理の外側に置かれ、地方都市におけるリモートワーク環境の整備は行政の力を借りなければ解決できない課題であると認識されつつあります。
しかし全国13もの地方都市でコワーキングスペースを展開してきた我々から見れば、これは全くの間違いであると言えます。
コワーキングスペースに必要な経費や設備を精査し、ノウハウ、特にマーケティングをしっかり行えば十分収益化することはできるのです。
コワーキングスペースは性質上、業界的に近い不動産業界の方が始められることが多いです。そのため集客や施設利用などをアナログな方法で管理している場合が多く見受けられます。
一方でコワーキングスペースの利用者というのはITに精通した比較的若い層であり、WEBからの集客が不可欠になります。ニーズがあるところに的確にマーケティングすれば他のビジネスに比べ経営を起動に乗せることはそれほど難しくありません。
ハード(店舗施設)とソフト(システムやWEBマーケティング)、不動産とIT両方の力を組み合わせることで初めて理想の店舗作りが可能となるのです。
コワーキングスペースは人々の生活や仕事、ライフスタイルに関わる重要な事業です。
家具と箱(スペース)を用意すれば始められると安易にスタートさせるのではなく、しっかりとしたノウハウを元に堅実な経営をしていくコワーキングスペース店舗が増えていくといいですね。