東京一極集中とコワーキングスペース
7月12日東京で4回目となる緊急事態宣言が発令されました。
新型コロナウイルスの影響を受け、東京一極集中を危惧する声が日に日に大きくなっています。新型コロナウイルスによる影響だけでなく、大型地震や台風などが東京を直撃した際も、日本中がマヒする危険性があります。
そもそも現状ではどれくらいの人口が都心部に集中しているのでしょうか?
実は東京は人口日本一の都市であると同時に、世界一の都市でもあります。
東京都市圏では約3,400万人〜3,800万人もの人口を抱えており、日本全体の1/3が集中していることになります。
総務省がまとめた資料によると、東京圏・大阪圏・名古屋圏からなる三大都市圏の人口シェアが毎年増加しており、2015年には3圏合わせて51.8%という高い値を記録しました。
しかし、この値は、2050年には56.7%にまで増加すると試算されています。特に東京圏への一極集中は顕著で、上記の増加率である4.9%のうち、4.1%が東京圏の増加になる見込みです。
これはあまり喜ばしいことではありませんね。
確かにかつてインターネットがまだ普及していない頃は一極集中のメリットとして、ビジネスの効率化により、高い経済成長が期待できました。
企業のオフィスや流通の拠点が東京に集まったことで、日本はものすごいスピードで経済成長を遂げました。
しかしながら、デメリットとして、東京に何かが起こった際に受ける被害が甚大であることが挙げられます。
このような現状のもとで、重要性が高まっているのが、地域の活性化です。内閣府は、地域の人材や資源を最大限に活かした地方創生を進めていますが、地方創生を進める大きな推進力として、フレキシブルオフィスに注目が集まっています。
一極集中によって起こる問題を防ぐために、内閣府はすでに地方創生プロジェクトを開始しているのです。人々が生まれ故郷をはじめ、より快適に暮らせる地域で生活するためのサポートを行っています。
テレワークによる企業進出・滞在・移住推進を目的とした初めての交付金として地方創生テレワークの推進により、地方への新たなひとの流れを創出する地方公共団体の取組を支援するための地方創生テレワーク交付金も実施されております。
しかし、いくら地方への移住を政府が推奨したといっても、なかなか増えない現実があります。その理由の1つが、仕事が東京に集中していることです。収入を得るために、東京で生活せざるをえない人々も多くいるのが現状です。
しかしコロナ禍が激しくなり、ココナラやクラウドワークスといったリモートで仕事の受注、発注ができるインフラが急速に発達しました。地方都市の方が家賃を始めとする物価が都市圏と比べ著しく安いため、地方では生活が成り立たないという問題は解決に向かっているかと思います。
それはつまり高い家賃を払い、毎日満員電車に揺られ長時間通勤するだけの必要性やリターンが得られない環境になってきているのです。
ただでさえ高い生活コストを稼ぐのに大変なのに、多くの人混みの中で生活したら精神的にも肉体的にも疲弊してしまいますよね。
そのような背景の中、東京以外でも効率を落とさずに働くことのできる、コワーキングスペースやシェアオフィスをはじめとするフレキシブルオフィスに注目が集まっています。企業が地方にオフィスを作れば、従業員も気兼ねなく地方で働くことができます。
そこで現在地方自治体はコワーキングスペース普及のために様々な補助金を用意しております。
以下にいくつか例を列挙したのでもしよろしければ参照してみてください。
奈良県奈良市
実際はこの他多くの都道府県の自治体でリモートワーク環境の整備が進められており、むしろ地方で移住や就業、テレワーク、起業等を支援していない自治体を見つける方が難しいくらいです。
しかしながら人口30万人以下の都市ではコロナ禍が始まり1年以上経った今でも尚、皆無と言っても良いほどコワーキングスペースやシェアオフィスが普及しておりません。
それはなぜでしょうか?
次回はこの問題について考察していきたいと思います。