コワーキングスペースは儲からない?儲かる?【運営実績を元に】
みなさんこんにちは!CoWokers運営事務局の中邨です!!
さて、今回はストレートなタイトルですね、、、ズバリ、「コワーキングスペース事業は儲かるのか!?」というお話。
他の業種であれば、統計調査などからも業種別の利益率や売上、閉店率などいろいろと調べることできるのですが、コワーキングスペースはまだ日本では歴史も浅く、定義も曖昧な部分もあるため正確なデータがございません。そこで、数々のコワーキングスペースの運営に携わってきた私共の独断と偏見も交えた率直な意見や感想をお話いたします。
ズバリいうと、コワーキングスペース運営は、、、、
「やり方次第です」
すみません、、、、当然の話ですよね
全体的な傾向として、不動産の賃貸業のような感覚でコワーキングスペースというよりは、レンタルオフィス的なあくまでも場所を貸して費用をいただくという形式にしているところは利益が低い傾向にあると感じています。正直、この形で利益率が低いのなら、最初から費用をかけずに不動産賃貸として貸したほうがいいのでは?というレベルの事業も実際にあります。
一方で、利益率を高く維持できているような店舗はどのような方法をとっているかと言えば以下のように様々なコンセプトで運営をしています。場所貸しという概念というよりも、施設での体験や付加価値にも着目しているところや運営の効率化を重要視しているところが多いようです。
成功例
- 高単価でのハイクラスの顧客獲得に成功している店舗
- 低単価で圧倒的な会員数を獲得することに成功している店舗
- コワーキングスペースと併設で兼業の別事業なども行っている店舗
- 無人運営などの自動化で効率化に成功している店舗
- 売上が上がるイベントなどを頻繁に開催している店舗
- 自社保有不動産などで固定費があまりかからない店舗
などなど、様々なパターンがあります。
やはり、コワーキングスペースとしての機能を維持しつつ、明確なコンセプトメイキングをして、他社との差別化をしていく必要があるということですね。少なくとも、何となくやって成功するほど甘い世界ではないということです。
具体的な失敗例も下記に記載しておきますね、参考にしてください。
失敗例
- 人件費をかけすぎている
- スタッフの業務が売上の向上や付加価値につながっていない。
- イニシャルコストをかけすぎている
- 固定費を上げすぎている
- オンラインマーケティングなどでの顧客獲得ができていない
- 利用料の設定が立地やエリアの需要と合っていない
- チープな雰囲気になりすぎている
- アナログな運営や管理になりすぎている
例を上げればきりがないですが、概ねこのようなイメージです。
特に致命的なのは、人件費を無駄にかけすぎているパターンが多いことですね。最近はコンビニだろうがホテルだろうが、無人でも成立しているビジネスモデルはたくさんあります。有人じゃないと価値を提供できない!とか謎の言い訳をしている経営者も多くいるようですが、それは経営者側のエゴであり、ユーザーからのニーズとは別です。単純に有人にしなければ運営ができないような仕組みや体制にしてしまっている経営自体に問題があります。
とはいえ、有人の運営が悪いわけではありません。あくまでも、有人であるのなら、その特性を活かすべきだと主張しているだけです。例えば、受付にずっと座っているだけのスタッフなら正直あまり必要ないと思います。受付を自動化するためのサービスはたくさんありますし、代替えできるものです。電話対応などもアウトソーシングで格安でプロが対応してくれるようなものもたくさんあります。しかし、例えば事業者向けの支援サービスや事業者同士のマッチングなどを積極的にしてくれる「コンシェルジュ」のような役割ができるスタッフであればどうでしょう?もしくはスタッフ自ら積極的に売上を作るためのセールス活動ができているのならば、それも良いと思います。
人を配置するのであれば、人がいることでの価値を最大化すべきです。
「儲かる」コワーキングスペースにするには
単純計算で運営時間などにもよるでしょうが、常時人員を配置したとして、仮に毎月60万円の人件費がかかるとしましょう。もしこれが、様々な工夫で自社雇用は0にして、アウトソーシングや自動化の仕組みを導入してそれが毎月20万円で収まるとしたらどう思いますか?サービスのクオリティは落ちていません。むしろ、余った40万円を使ってさらに利用に快適な仕事環境を提供することもできるはずです。広告費などに予算を投じて売上を増やすことに使うこともできます。
人を雇うということは給与のみならず、固定費としての人件費だけでなく、求人募集コスト、教育コスト、福利厚生コストなど様々なコストがかかります。コワーキングスペースは決して他業種と比べて売上高が高いものではなりません。したがって、固定はできるだけ抑えて効率的な運営をするという意識は常に持つほうが健全な経営が成り立つことが多いというのは間違い有りません。
分かりやすい例として人件費のお話をさせていただきましたが、要するに、売上を向上させつつも、固定費をお抑えることができればどんな店舗でも「儲かる」コワーキングスペースにすることは可能です。
「儲かる」というワードをどのような定義にするかで見解も変わってしまいますが、少なくとも飲食の業界などと比べて廃業率は圧倒的に低い(現段階は)ということは言えると思います。飲食業界は90%の店は10年以内に廃業すると言われていますが、コワーキングスペースの業界は派手に稼いでいるかどうかは別として、廃業せずに継続している店舗の割合は非常に多いと言えます。統計データはまだ存在しておりませんが、ポータルサイトなどでの情報をベースに考えると一度掲載した店舗が廃業しているというケースは10〜20%程度です(自社調べ)
しかし、今後はリモートワークの需要拡大と共に、コワーキングスペースは乱立していくことはすでに東京を筆頭に始まっています。正しい知識なくスタートしても成功するのは難しいですから、まずは正しい計画を立てて、進めていきましょう。