海外と日本のコワーキングスペース経営や運営方法の違いや今後についても考察
コワーキングスペースは日本の文化ではなく、海外から取り入れた新しいビジネス業態です。
発祥の地は2006年11月のアメリカ。起業家たちが多く集まるサンフランシスコのシリコンバレーといわれています。
日本では2015年からスタートしたといわれており、2021年現在では都市部を中心にコワーキングスペースの数が急速に増えてきています。
そんなアメリカ発祥のコワーキングスペースですが、日本のコワーキングスペースと利用の目的や経営、運営方法に大きな違いがあります。
今回は海外と日本のコワーキングスペースの違いについてお伝えします。
こんな人によんでもらいたい記事です
- 海外と日本のコワーキングスペースの違い
- 海外のコワーキングスペースについて詳しく知りたい
日本に求められているコワーキングスペースとは?
日本のコワーキングスペースは「利便性」を重視しています。
コワーキングスペースはあくまで「自分の仕事」をする場所という考えがあるので、無料Wi-Fiや席の確保、落ち着いて作業ができるかなどの利便性を重視します。
また機能だけではなく、場所も重要です。駅近くや人が集まりやすい場所にコワーキングスペースを構えることが多く、郊外にコワーキングスペースを展開している事業者は少ないのが特徴となっています。
日本に求められているコワーキングスペースは「利用者が一人で集中しやすい環境」を作り上げ、無料Wi-Fiやプリンターなどすぐに仕事ができるような利便性を求める傾向にあるのです。
海外に求められているコワーキングスペースとは?
海外も日本と同じように利便性は求められますが、それ以上に「ビジネスチャンス」が重視されています。
海外のコワーキングスペースでは人々の交流が活発です。
そのため新しいビジネスが生まれやすく「交流の場」としてコワーキングスペースが使われています。
「欧州におけるコワーキング・スペースに関するカンファレンス(2010)」にて公開されたアンケートによると、87%の回答者が「オフィス利用者同士で新しいプロジェクト(仕事)が生まれた」と答えています。
日本にはない海外のコワーキングスペース機能
海外のコワーキングスペースは交流がしやすいように様々な環境が用意されています。
例えばボルダリングやジム、ペットを連れていけるコワーキングスペースもあり、趣味を通じて交流ができる機会を設けています。
このような設備があるコワーキングスペースは日本には、ほとんどありません。
またコワーキングスペース内でのセミナーや交流会も活発。「仕事をするのではなく、交流会に参加するためにコワーキングスペースを利用している」という人も少なくありません。
上記のような交流の場以外にも、コワーキングスペース利用者のみのSNSサービスを展開している会社もあります。
これはSNS上で、他業種の人と気軽に交流が出来たり、ビジネスのやり取りが行えるサービスです。
対面で話すことが出来なくても、SNS上で簡単に交流ができるため、いろんな方との交流ができやすい環境を経営者は作り上げています。
このように海外のコワーキングスペースの特徴をまとめると以下の通りです。
海外のコワーキングスペースの特徴
- コワーキングスペースには利便性+ビジネスの場として活用している
- ボルダリングやジムなど仕事以外でも交流できる場を設けてる専用SNSがあり、対面でなくても交流ができる
- 専用SNSがあり、対面でなくても交流ができる
日本と海外のコワーキングスペースは求めるものが違うということを覚えておきましょう。
日本のコワーキングスペースの将来は?
日本にコワーキングスペースが出来てからまだ6年しか経過していません。
つまりまだまだ未成熟な分野であるため、今は利便性を重視していても今後はどのような事が重視されるかわかりません。
最近は日本でも交流の場を設けるコワーキングスペースも増えているため、海外と同じような「ビジネスチャンスを生み出せるコワーキングスペース」にシフトチェンジしていくのかもしれません。
しかし日本でも海外でも重視されているのは「利便性」です。
いくら交流の場があったとしても、無料Wi-Fiや快適な空間、最低限の設備がなければコワーキングスペースとしての事業は成り立ちません。
今後コワーキングスペースを始める人は、まず最低限の設備を整えて利便性を高めて下さい。
利便性を高めた後に、海外のような交流の場を設けていく方が経営として上手くいく可能性が高いかと思います。
日本のメリット、海外のメリットをしっかりと理解しよう
日本と海外のコワーキングスペースの違いは理解しましたか?
コワーキングスペースは日本ではまだまだ発展途中の業態です。そのためいち早く海外のコワーキングスペースのメリットを理解して日本流に取り込むと最先端のコワーキングスペースを作り上げることが可能。
最先端の物を作れれば、事業拡大にも役立てることができ、コワーキングスペース内の業界トップを取ることも不可能ではありません。
日本と海外のコワーキングスペースの違いをしっかりと理解して、経営や運営方法に役立てていきましょう。