コワーキングスペース無人化と自動化について
こんにちは!CoWorkers運営事務局の中邨です!!
今回は無人化と自動化についてお話しようと思います。
近年、シェアオフォス、コワーキングスペースの出店や運営に関する悩みや課題解決に対して、全国からご相談が急激に増えております。
会社の新規事業として、保有しているビルの収益化、ホテルの披露宴や宴会場の活用、結婚式場の事業転用、オフィススペースの収益化、飲食店の新業態として、カフェとの複合など、様々な業態とのシナジーを産みやすいコワーキングスペースは多くの事業者が新しい取り組みとして着手され始めています。
しかし、日本は欧米と違いコワーキングスペース・シェアオフィスの運用やリモートワークという働き方などに歴史があるわけではなく、具体的なノウハウが無いままに新規事業として着手されるケースが非常に多いのが現状です。
その結果、予想以上に運営に苦戦されているという事業者が多いのでは無いでしょうか。
そこで、弊社へのご相談が多い課題の一つである「無人化と自動化」について触れていきます。
無人化と自動化についてのよくある相談内容
・入退室を無人で対応できるようにしたい
・会員登録をウェブ上から自動でできるようにしたい
・施設予約を自動で対応できるようにしたい
・料金の支払いを自動化したい
・領収書の発行などを自動化したい
・自然に利用者通しがマッチングできるような仕組みにしたい
・利用者の状況などはデータ化して分析できるようにしたい
・顧客対応を自動化したい
・完全無人で運営できる店舗にしたい
・店舗の支払いをキャッシュレス化したい
・遠隔で店舗の管理をできるようにしたい・・・etc
シェアオフィス・コワーキングスペースの運営は利益率が高いものでも、極端に売上が上がる業態ではありません。
しかし、適切にコストを管理し、効率的な集客ができれば安定的に収益を生み出すことも可能です。それを実現するには、店舗運営に対して正しい知識を持つことが非常に重要になります。
ただし、すべての店舗が無人化や自動化をした方が良いかといえば、そうでもありません。
まずはどのような店舗が自動化の相性が良いのかということに触れておきましょう。
無人化と自動化をしない方が良い店舗のケース
簡単にいえば、有人での人での接客があることで生産性が上がるようなケースは無人化や自動化はむしろマイナスの効果を生み出してしまう可能性があります。例えば、このようなケースです。
- ハイクラス向けのブランディングをしている店舗
受付にはプロの受付の女性などを配置し、店舗内には常に利用者のビジネスやプライベートをサポートできるようなコンシェルジュを配置している。そんなハイクラス向けのサービスを売りにしている店舗は無理に無人化することでブランディングが崩れてしまいますので、むしろ有人でのサービスクオリティをより引き上げていくことを重要視する方が成功しやすいと言えるでしょう。 - 人との交流やイベント開催などを重要視している店舗
シェアオフィス・コワーキングスペースを利用したいという方の中には店舗のスペースの価値よりも、むしろビジネスマッチングなどを求めている方々もおります。そのような要望に応えられるようなサービスを有人で展開している場合、そもそものコンセプトの方向性が変わってしまいます。もし、コンセプト自体も方向転換して自動化していこうということであれば問題ありませんが、既存利用者の求めているものを急に変えてしまうことはできるだけ避けた方が良いでしょう。
有人での運営でも生産性が上がりにくい業務は自動化・無人化しやすい
有人での運営といっても、何か明確な理由があって有人対応にしているというよりも、無人化、自動化への導入がまだ進められていないという課題を持っている店舗の場合は工夫次第で大きく店舗の収益を向上させていくこともできるでしょう。
例えば、店舗の受付スタッフを配置しているという場合。多くの場合、店舗の受付スタッフはあくまでも受付対応や簡単な手続きなどを対応していることがメインであり、何か新たな売上をあげることや利用者のサポートをしているということは非常に稀です。また、利用者が受付に人がいるからという理由でその店舗を選ぶということは滅多にありません。店舗の利用者の多くが求めているんは、店舗スタッフがいるかどうかではなく、快適なワークスペースが提供されているかどうかの方が大切な場合が多いです。
また、受付が有人対応である場合は他の業務も対面型の対応をしている場合が多いです。
例えば、会員登録、料金の支払い、予約受付などがその代表的なものですね。こちらに関しても、何か理由があって有人の対応をしているということであれば、話は別ですが、多くの場合は無人化するためのノウハウが無いことで有人、対面での対応となっているという場合が非常に多く見受けられます。
有人での対応と自動化・無人化のコストの比較
さて、無人化・自動化することの最大のメリットは何かと言えばやはりコストが圧倒的に抑えやすいことではないでしょうか。その効果の程はどの程度でしょう。一例から比較してみましょう。
有人運営の場合のコスト
仮にアルバイト時給1000円、営業時間8時〜21時の1日13時間とした場合、
1人体制の場合は1日13,000円、月間で390,000円となります。
2人体制の場合は1日26,000円、月間で780,000円となります。
やはり、シェアオフィス・コワーキングスペースの2大コストの一つである人件費はそれなりの金額になりますね。
ここの数字には反映されていませんが、求人コスト、教育コスト、福利厚生コストなど人材コスト全般を含めた場合、2名体制なら月間100万円近いコストがかかることになりますので、できるだけ抑えておきたいと考えられるのは当然です。では、無人化・自動化した場合はどのようになるでしょうか。
無人運営の場合のコスト
常設での人員は無人、毎日店舗管理として1日2時間の清掃や消耗品の補充などのみ配置し、弊社の提供している店舗管理システムを設置した場合(自動化などは様々な方法で導入可能です)
コワーカーズのコワーキングスペース管理システム:月額39,000円(基本料金)
・会員管理システム
・会員登録システム
・入退室管理システム(チェックイン・アウト管理)
・自動決済システム
・入金管理
・予約サービス連携
・会員専用アプリによるビジネスマッチング
・領収書の発行
・店舗のキャッシュレス化
その他、無人化のために導入を推奨する設備
・防犯カメラの設置:1台20,000円(購入)程度から設置可能
・スマートロックの設置:1台10,000〜20,000円(月額)程度で設置可能
店舗管理のための人件費(清掃や補充など)
・1日2時間と仮定し、1日3000円、月間90,000円
比較するとどの程度コストが削減できるのかは明確です。しかも、無人運営の場合は営業時間や定休日なども比較的自由に設定できるようになります。仮に1日13時間の営業時間だったとしても、24時間営業だったとしても、無人運営の場合はほとんどコストが変わりません。営業時間や営業日数が増やせるということはそれだけ売り上げを上げる機会も増やせるということです。
もちろん無人運営する場合でのセキュリティの整備や利用規約の整備など様々な準備は必要ですが、それだけ大きな効果を見込めるというのは魅力ではないでしょうか。
無人化が進む各業界
シェアオフィス・コワーキングスペースは不動産業界の参入が多く、どちらかといえばアナログ派の経営者が多い業界の一つです。しかし、この業界に限らず無人化や自動化は様々な業界が推し進めています。
例えば、amazonなどは配送の工場内はロボットが常に動き回り、amazon GOなどのコンビニも無人の店舗を増やしています。アパレル業界でもユニクロなどもレジを自動化することなど、続々と無人化の動きを進めています。
無人化が進む背景は、技術の進歩という部分もありますが、経営側が導入する際のポイントは、有人でのサービス提供よりも、無人化でのサービス提供の方がコストを抑えられること、無人化でも顧客満足度やサービスの質が低下しないことが実現できるようになってきているという部分が主な理由ではないでしょうか。
まとめ
今回は全国各地で数多くのシェアオフィス・コワーキングスペースを運営してきた経験や、実際にご相談のある店舗オーナーなどからの話を元にさせていただきました。
比較として分かりやすくするために自社のサービスを一例として出しておりますが、店舗運営は工夫次第でどのようにも対応する方法はあります。少しでもこの業界で店舗を運営されている方に参考にしていただければ幸いでございます。それでは。